日本の路上を走っている車のうち、MT車の占める割合は僅か1%しかないんだ。
だけど、MT車にはAT車では得られないドライビングプレジャー(運転の楽しさ)があるため、いまでも一定数のファンが存在するのも事実なんだ。
国内メーカーもそんなニーズに応え、車種こそ限られるもののMT車の生産を継続しているんだよ。
ここでは誰にでも乗りやすくて、運転が楽しい国産MT車を5台紹介するから、MT車に少しでも関心のある人は参考にしてみてね!
この記事の目次
トヨタ・カローラ スポーツ
トヨタの5ドアハッチバック車「カローラ スポーツ」には、ハイブリッド車と1.2Lガソリンターボ車が設定されています。
このうち1.2LガソリンターボのFF車は、全グレードで6速MT仕様を選ぶことが可能です。
この6速MTは「iMT (インテリジェントマニュアルトランスミッション)」と呼ばれる最新の電子制御式で、ドライブセレクトでスポーツモード(AVS装着車はスポーツS+モード)を選択するとスタンバイ状態になります。
その機能は、発進時にエンジントルクをアップさせエンストのリスクを減らすほか、シフトアップやシフトダウン時にエンジン回転数を自動で合わせ、スムーズな変速を可能とするものです。
MT車を運転するにあたり、「発進時にエンストしてしまうと恥ずかしい」「ヒール&トゥが苦手なのでスムーズなシフトダウンができない」などを危惧している人も多いと思います。
しかし、iMTを搭載するカローラ スポーツならそんな悩みからも解消され、MT車ならでは楽しさをイージーに味わえるのです。
また、坂道発進時の後退を防ぐ「ヒルスタートアシストコントロール」も装備されるので、いちいちサイドブレーキを引いて発進する必要もありません。
MT車とAT車のいいとこ取りをしたようなトランスミッションなので、MT派のみならず、教習所を卒業して以来AT車しか乗ったことがないという人でも、気軽に運転することができます。
エンジンのスペックは最高出力116ps/最大トルク18.9kgmで、1,300~1,330kgの車体に対して不足はないものの、「スポーツ」の名を冠する車種に搭載するエンジンとしてはややパンチ不足かもしれません。
とはいえ、公道を合法的に走行する限りそれほど不満はありませんし、モアパワーを望むなら社外パーツのチューニングロムやサブコンピューターを導入する手もあります。
ハンドリングは特にクイックではないものの、オンザレール感覚で狙い通りのラインをトレースできる高水準なものです。
カローラ スポーツのMT車は、誰にでもMT車の運転が楽しめるメリットを持っていますし、価格も210万6,000円~238万6,800円と今時の新車としては比較的お手頃なので、幅広い層にお勧めできます。
マニュアル車の運転って難しそう・・・そんなあなたでも大丈夫!カローラスポーツにはiMTが付いてるからオートマ車みたいな感覚でドライブを楽しむことができるよ!
気軽にマニュアル運転の魅力を味わいたい人にはぴったりな車だね!
ホンダ・シビック ハッチバック
「シビック」といえば、FF車世界最速を誇る「タイプR」が頭に浮かぶ方も多いと思います。
シビック・タイプRは6速MT仕様なので、ここで取り上げてもよかったのですが、敢えて「ハッチバック」の6速MT仕様をチョイスしました。
というのも、タイプRは公道では使い切れないパワーやガンダムチックな外観、小回りが効かないことなど、万人向けとは言い難いからです。
その点、ハッチバックは公道でも楽しめる程よいパワフルさや、さり気ない外観、取り回しの良さなど、誰もが気軽に普段使いできる良さがあります。
トランスミッションは、タイプRがシフトダウン時に自動でブリッピングを入れて回転合わせをする機能が備わるのに対し、ハッチバックはそうした機能を持たないオーソドックスな機構です。
とはいえ、MTの基本操作を習得している人なら特に問題はないはずですし、「ヒルスタートアシスト機能」が備わるので坂道発進も安心です。
搭載されるエンジンは1.5L直4ターボで、スペックは最高出力182ps/最大トルク24.5kgmとカローラ スポーツよりも遥かにパワフル。
300psを超えるタイプRとは比べるべくもないものの、先ほど述べたように公道でMT車の運転を楽しむには、このくらいのパワーが丁度いいともいえます。
ハンドリングは、旋回性を高める「アジャイルハンドリングアシスト」のサポートもあり、非常に高水準です。
コーナーリングスピードの速さは、ヘタなスポーツカー顔負けといえるでしょう。
価格は280万440円で、カローラ スポーツと比べるとやや割高感もありますが、総合的な性能が優れているので、買って損をした気分にはならないはずです。
シビックハッチバックって程よくパワーがあるんだぁ。じゃあ、ちょうどいい感じで運転が楽しめるね~。ヒルスタートアシスト機能が付いてるから坂道をズルズル下がっちゃうってこともないんだねぇ。シビックいいんじゃない!?
マツダ・CX-5
マツダは、国内メーカーの中ではスズキと並んでMT車のラインナップに力を入れているメーカーです。
CX-8をのぞく全ての登録車にMT車を設定していますが、ここではミディアム・クロスオーバーSUVの「CX-5」を取り上げます。
マツダのMT車で運転が楽しい車といえば、まっ先に「ロードスター」を思い浮かべるかもしれません。
マツダ車の中からロードスターではなく敢えてCX-5をチョイスした理由は、MTで乗れるクロスオーバーSUVは他にほとんど選択肢がなく、貴重だからです。
弟分のCX-3も悪くないのですが、乗り心地が固くファミリーカーとしてやや難があるので、乗り心地の優れたCX-5を選びました。
トランスミッションはオードソックスな6速で、自動ブリッピング機能などは持たないものの、シフトフィールの良さが魅力です。
エンジンは、MT車の場合2.2L直4ディーゼルターボ(最高出力190ps/最大トルク45.9kgm)に限られますが、ディーゼルならではの強力な中低速トルクがSUVにピッタリといえます。
ディーゼルに付きものの騒音や振動も抑えられているので、MTを駆使して楽しく快適に走れるはずです。
また、旋回性を高める「G-ベクタリングコントロール プラス」の効果で、SUVらしからぬスムーズなコーナリング性能を実現している点も魅力といえます。
価格は288万3,600円~388万2,600円とそこそこしますが、パフォーマンスや完成度からすればお買い得といえます。
CX-5はSUVでは貴重なマニュアル車の設定があるんですって!わたし、貴重なものって大好きなの。ディーゼルエンジンっていう力強いエンジンで森の中を走ってみたいわ!
スバル・BRZ
楽しいMT車のチョイスにスポーツカーを外すわけにはいかないので、ここでその代表格としてスバルの「BRZ」を紹介します。
姉妹車種の「トヨタ・86」でも良いのですが、それよりもグリップ性能の良いタイヤを履き、ポテンシャルが若干高いスバル版を選択しました。
トランスミッションは、こちらもブリッピング機能などは持たない普通の6速ですが、シフトフィールの良さは国産車中で1、2を争うものです。
エンジンは2L水平対向4気筒NAで、最高出力207psを7,000rpm、最大トルク21.6kgmを6,400~6,800rpmで発生する高回転型になっています。
とはいえ、ピーキーな扱いにくさはありませんし、スムーズかつシャープな吹き上がりを楽しめる秀逸なユニットです。
同じ排気量のターボエンジンを搭載するライバルと比較すると、スペック的には見劣りしますが、公道で使い切るにはこのくらいのパワーが丁度いいともいえます。
ハンドリングはFRスポーツカーのお手本のような仕上がりで、ビギナーからエキスパートまで運転を楽しめること請け合いです。
価格は243万円~353万1,600円で、本格スポーツカーとしてはリーズナブルといえるでしょう。
BRZはアクセルを踏んでいくとスーッと滑らかにしかも力強く加速するんだね。走りが好きな人にはたまらない車だね!カーブした道も気持ちよく曲がれるし、外観もいかにもスポーツカーみたいでかっこいいね!
スズキ・スイフトスポーツ
最後に紹介するのは、スズキのコンパクトなホットハッチ「スイフトスポーツ」です。
搭載されるMTは6速で、自動ブリッピング機能などの飛び道具はなし。
しかし、シフトフィールはスムーズですし、低回転域から太いトルクを発生する1.4L直4ターボエンジン(最高出力140ps/最大トルク23.4kgm)とのギア比のマッチングも良好です。
車両重量が970kgと軽いため、加速性能は一クラス上のモデルに匹敵するといえるでしょう。
ハンドリングは正確で、ステアリングレスポンスも鋭いので、山道では水を得た魚のように走り回れます。
乗り心地もベースモデルのスイフトよりも良いくらいなので、ファミリーカーとしても使えるのが嬉しい所です。
価格は183万3,600円~198万9,360円で、走行性能の高さを考えれば大バーゲンセールといえます。
スイフトは小さめだけど、軽くてターボも付いてるから気持ちのいい加速が味わえるのかな。値段もやさしくてうれしいなぁ!
乗りやすくて楽しい国産車のマニュアルMT車おすすめ5選まとめ
ここで紹介したMT車のカテゴリーは、ハッチバック、SUV、クーペ(スポーツカー)とまちまちだけど、いずれも万人が運転を楽しめて、価格も比較的手ごろな車種を選んだよ。
こうした車種を手に入れて、MT車ならではのドライビングプレジャーを味わってみるのもいいかもね!